METAL SURVEY
金属調査
浸透探傷検査

本検査の原理は、毛細管現象を利用した方法で、表面に開口している割れやピンホールなどの微細な欠陥を持つ試験体に対して、人の目で知覚しやすい色を持たせた液体(浸透剤)を染み込ませます。その後表面を洗浄液で拭き、現像剤を塗布し検査対象の傷に染み込んだ浸透剤を現像剤の粒子が吸い上げます。
きずは浸透剤(赤)と現像剤(白)のコントラストで識別できるようになります。
浸透探傷検査
-
前処理
試験体表面に付着している塵芥、油脂類を除去する処理。
-
洗浄処理
(スプレー法、刷毛ぬり法)試験体表面を浸透液でぬらし、きずの中に浸透液が浸透していく時間放置する処理(10分以上)
-
洗浄処理
試験体表面に塗布された浸透液を、洗浄液をしみ込ませたウエスで拭き取る処理。
-
現像処理
試験体表面に現像剤を均一に塗布する処理。
-
観察
現像時間(10分以上)が経過したのち浸透指示模様があるかないか調べること。
-
浸透指示模様(割れ2箇所)
磁粉探傷検査

測定の原理
試験体を磁化した場合、表面及び表面直下の比較的浅い部分(表面から約2~3mm程度)にきずなどの磁気的な不連続があると、その部分から磁束が漏洩し、不連続部との境界に磁極が生じ、つまり小さな磁石が形成されます。そこへ強磁性体の微粒子(磁粉と言います)を適用すると磁粉も磁石となり、磁粉が繋がってきず部に凝集・吸着し、模様ができます。
きずの見え方の例
紫外線照射装置(ブラックライト)を当てることによって蛍光磁粉が反応し、きずの箇所を確認できます。
下の写真の例では縦に線状の指示模様が見えます。
このように肉眼で確認できない微細なきずも、磁粉の凝集による拡大効果で識別できるようになります。
制限事項
- 蛍光磁粉を使用する都合上、明るい場所での検査には制限があります。
- 鉄鋼など、磁石に吸引される強磁性材料にしか行えません。
- 表面及び表面直下のきずは検出できますが、深い箇所のきずは検出できません。
超音波探傷検査
本検査は、指向性のある超音波ビームが異なる物質との境界で反射したり、屈折したりする性質を利用した検査方法です。超音波のパルスを探触子から発信し、その一部が内部の欠陥に反射され、探触子に受信すると装置のブラウン管に波形が映ります。この波形によってきずの種類、大きさ等を判断します。



広範囲に入射させた超音波ビームを電子的に制御することで、検査対象物の内部状況を断面画像として把握できます。
さらにPAUTとTOFDを組み合わせることにより、溶接部の検査精度が大幅に向上します。


主な検査
- 根入れ測定
- 鉄筋圧接
- コンクリートポンプ車
- 肉厚測定検査
- AUT(超音波自動探傷システム)
根入れ測定
根入れ長測定とは、超音波(弾性波)を用いた測定装置を利用して、ガードレールや街路灯、雪崩防護柵等の根入れ深さを測定することです。

鉄筋圧接
圧接部に鉄筋方向から2反射触子K走査法で超音波を入射させると、圧接面が完全に金属結合して欠陥が存在しなければ入射波は圧接面を通過し反射しないが圧接面の欠陥が存在すればそれによって超音波が反射される。その反射波から得られる情報を使って圧接部の評価が可能である。

鉄筋ガス圧接部の超音波探傷検査は、人の耳に聞こえないほど周波数の高い波(超音波)を斜めに鉄筋内に入射させ、圧接面の欠陥からの反射波の強さを捕らえて内部欠陥を検出する方法である。鉄筋ガス圧接部の超音波探傷検査で採用している斜角二探触子K走査法である。圧接部に不完全接合部(欠陥)があると、鉄筋のリブにセットした送信探触子より斜めに入射された超音波が不完全接合部(欠陥)で反射される。鉄筋ガス圧接部の超音波探査は、この反射波を送信探触子と反対側のリブにセットした探触子で受信し、反射波の強さ(反射エコー高さ)を測定して圧接部の合否を判定するものです。
コンクリートポンプ車
厚生労働省からの通達により、登録4年以上のコンクリートポンプ車のブーム等応力集中部の超音波探傷検査が義務付けられました。この通達を受け、弊社はコンクリートポンプ車の超音波検査も行っております。

X線透過検査
工業用携帯式X線装置
装置名 | RIX-200MC |
---|---|
メーカー | トーレック株式会社 |
装置構成 | X線発生器 制御器 低圧ケーブル |

測定の原理
本装置の原理は、一般的に病院で用いられているX線撮影と基本的には同じ。
放射線の性質として試験体に放射すると試験体を直進透過する性質を持ち、放射線の写真作用を利用して透過像を直接フィルムに撮影する方法で、コンクリートの内部に存在する鉄筋、空洞等の異物とコンクリートの部分との間に放射線の透過量の違いによるフィルム上の濃度差が生ずる(コントラスト)ことで、写真像として視認できます。

撮影状況
制限事項
- 蛍光磁粉を使用する都合上、明るい場所での検査には制限があります。
- 鉄鋼など、磁石に吸引される強磁性材料にしか行えません。
- 表面及び表面直下のきずは検出できますが、深い箇所のきずは検出できません。
鋼管杭(X線)
構造物の重要度、杭サイズ(大径:Φ1200mm以上、大肉厚:17mm以上)等の溶接条件が厳しい場合に採用することとする。採用の場合は、X線透過試験は4方向から30cm/ヶ所実施することを推奨する撮影が終了したらレントゲン車でその場で現像します。
-
鋼管杭撮影 -
レントゲン車
配管溶接部
配管溶接部のきずは形状や個数により構造物に重大な影響を与えます。JIS規格及び仕様書に則り、溶接部のきずの等級分類、合否判定を行います。
コア抜き用位置だし
調査目的
コンクリート造壁や床にコア抜きをする必要があり、当該箇所のコンクリート内部に鉄筋、電気管又は水道管等設備の有無をX線透過装置を用いて探査測定し、中の設備に損害を与えないようにする。

例:抜き出し可能
マークの周りに何もないそのままの位置をコア抜きしても問題ありません。

例:抜き出し不可
マーク近くに鉄筋ついてるためコア抜きができないため違う場所を選び撮影しなければならない。
金属組織試験(マクロ試験)
試料全体の組織やピットなどの欠陥組織を観察するマクロ的試験法を使い光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて検査試験をします。
-
研磨 -
エッジング -
顕微鏡 -
金属の拡大図